膝の痛みは老化のせい？年齢とともに増える理由と今日からできる対策法を解説！

こんな膝の不安、抱えていませんか？

加齢とともに膝の痛みが増えるのは事実ですが、実は“老化＝痛み”と決めつけるのは早すぎます。

膝の痛みは、一概には老化が原因とは言えず、

など、複数の要因が複雑に関係しています。

大切なのは、正しい知識を持ち、自分の膝と上手に付き合っていくことです。

この記事では、なぜ年齢とともに膝が痛くなりやすいのかを解説しつつ、今日からできるシンプルな対策法をご紹介します。「この年齢だから仕方ない…。」と諦めずに、できることから始めてみましょう。

なぜ年齢を重ねると膝が痛くなるの？

年齢を重ねるごとに膝が痛くなってしまうのには、理由があります。そんなに無理に歩いたり動いたりしてないのに、なんでこんなにも痛むんだろうと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

その疑問にお答えします！

関節軟骨のすり減りが進む

老化によって膝が痛くなる理由のひとつとして、膝関節の軟骨がすり減りが挙げられます。

軟骨がすり減ってしまう原因としては、

これらが当てはまります。

加齢や老化によるこれらの現象が理由で軟骨や関節が傷つき、膝に痛みが生じてしまうのです。

筋肉・靭帯の衰えで支えきれなくなる

筋肉・靭帯など膝を支える組織の衰えも、膝痛につながってきます。

膝周辺の筋肉は、膝関節や軟骨の安定性を保つ働きがあります。それらが衰えると、膝関節が不安定になり、歩く時や立ち上がる時にズレやすくなり、痛みを生じさせます。これらの現象を総称して「膝崩れ」と呼びます。

酷くなると、膝周辺が腫れ上がり、痛みもよりキツくなってしまい、最終的に歩行困難になることもあるので注意が必要です。

長年の動きのクセ・負担の蓄積

歩き方や姿勢、座り方などの個々の長年の癖が膝関節の負担になってしまっていることもあります。

歩き方であれば、O脚やX脚などは膝に負担が蓄積しやすく、痛みや違和感の元となるでしょう。また、座り方も正座やあぐらを長時間続けて毎日行っている方は、膝に負担がかかっている可能性が高いです。

立ち方なども、片方に重心を置きがちな方は注意が必要です。重心を支えている方の膝に大きな負荷がかかっている状態で、膝のロッキングや膝崩れなどを起こしやすく、体のバランスも悪くなります。

膝以外の骨盤や腰などの関節にも不調をきたす可能性があるので、両足重心を心がけるなど、習慣を正す必要があります。

老化による膝の痛みはこんな症状が出やすい

では次に、老化による膝の痛みの症状について、みていきましょう。現在の症状やこれから起きるかもしれない痛みなどについても、確認しておくと安心です。

立ち上がり・階段の昇降がつらくなる

老化による膝の痛みでは、歩行時だけでなく立ち上がりの瞬間などに痛みが生じることが多いです。こちらは、変形性膝関節症の初期症状とされており、悪化させないためにも、ケアが必要になります。

また、加齢による膝痛は、階段の上り下りがつらくなることもよく挙げられており、特に階段を下りる時に痛みを生じることが多いようです。

他にも、しゃがんだ時や歩き出しの時に“ピキッ”となるような違和感や痛みを感じる人もいます。

こわばりや腫れ、熱感があることも

膝痛が悪化してくると、こわばりや腫れ、熱感が出ることもあります。こちらも加齢や老化による軟骨のすり減りが主な原因とされており、その状態が続くことで炎症が起き、腫れたり熱を持ったりすることになるのです。

これらの症状が酷い場合は、変形性膝関節症の中期〜後期、または関節リウマチなども考えられるので、専門家への相談をおすすめします。

整形外科や整体などで痛みを相談し、適切な治療を受けることで痛みの緩和につながるでしょう。

朝は痛くないけど夕方に強まる痛み

朝はスムーズに動けるのに、夕方になると膝がズキズキ…。

このような痛みは「加齢や老化による回復力の低下」が影響している可能性があります。日中の活動で膝関節や周囲の筋肉に負担がかかり、疲労物質がたまることで夕方以降に炎症や痛みを感じやすくなるのです。

特に変形性膝関節症の初期では、動き出しは問題なくても、長時間の立ち仕事や階段の昇り降りのあとに痛みが出やすくなります。クッション性のある靴を履いたり、適度な休憩を挟むことも対策の一つとなります。

夕方に痛みが強まるというサインは、膝に無理がかかっている証拠かもしれません。放置せず、早めに生活習慣やケアを見直すことが大切です。

膝の痛みを悪化させない生活習慣

ここからは、膝の痛みを悪化させない生活習慣についてみていきます。

膝に少し違和感を感じていたり、長時間歩いた時に痛んだりしている方は、注意して読んでみてください。

正しい姿勢を意識する

膝の痛みを悪化させない生活習慣では、「正しい姿勢」が肝となります。座り方やO脚X脚などの足の形だけでなく、体全体の姿勢も膝の痛みに関わってくるのです。

反り腰と言われる下っ腹を突き出した立ち方は、膝に負担がかかり、痛みやすくなります。骨盤の傾きや背骨のカーブなども膝関節に影響すると言われており、椅子に座っている時の足組みや猫背などは膝の痛みにも良くないので、姿勢正しく座る習慣を癖づけるようにしましょう。

日常的に軽い運動を取り入れる

日常的な軽い運動も非常に重要です。

老後、定年退職後はこれまで当たり前だった仕事や子育てなど、外に出る活動がなくなることで、自宅に引きこもりがちになる方も多いです。そうなると、運動の機会も減り、たまに外に出る時に膝が痛くなったり、違和感を感じたりしてしまうのです。

また、外に出ないことは精神的な面でも悪影響なので、週に1、2回だけでも外出する機会を設けておきましょう。

膝に違和感や痛みがある場合は、無理をせず本当に軽い運動をするのがおすすめです。散歩がてら30分ほど外をゆっくりと歩く、フィットネス動画を見ながら10分間ストレッチや足踏みをするなど、簡単なことから始めてみてください。

膝周りが補強されて、痛みがなくなってくれば運動の負荷を少しずつ上げて、筋トレなども行えるようになると痛みや違和感もより感じなくなります。

体重管理も膝へのやさしさに

膝の痛みを悪化させないためには、体重を増やさないことも重要です。

急な体重の増加は、膝への負担がとても大きく、1キロ増えたら膝にかかる負荷は歩行時で3倍、階段の上り下りで6〜7倍になると言われています。

毎日の食事管理を徹底し、適度な運動も心がけるようにしましょう。60歳を超えるあたりでホルモンバランスの乱れや新陳代謝、基礎代謝などの低下、筋肉量の衰えなどが著しく感じ始める時なので、より一層自分の体を気遣ってあげると、体重管理もしやすくなります。

膝を守る栄養と食材を意識しよう

膝の痛みを和らげるには、外側からのケアだけでなく「体の中からのサポート」も見逃せません。

特に加齢とともに膝関節の軟骨や筋肉は弱くなりがちです。そんなときに意識したいのが、膝に必要な栄養素を日々の食事でしっかり摂って、膝の軟骨や関節、筋肉を作る成分を入れてあげることです。

ここでは、関節の健康を保つ栄養素や、それらを多く含む食材について詳しくご紹介します。

軟骨成分「コンドロイチン・グルコサミン」

コンドロイチンとグルコサミンは、関節軟骨の構成成分として知られ、膝の痛み対策では定番ともいえる栄養素です。

グルコサミンはアミノ糖の一種で、関節内の潤滑を保つ役割があり、軟骨の修復を助ける働きが期待されています。コンドロイチンは水分保持力が高く、軟骨の弾力性を保つ重要な成分です。年齢とともに体内の生成量が減少するため、外部からの補給が効果的とされています。

食品では、鶏の軟骨、フカヒレ、うなぎ、エビやカニの殻などに含まれます。ただし、食材から効率よく摂取するのはやや難しい成分でもあるため、足りない場合はサプリメントの活用も選択肢となります。継続して摂ることで膝の違和感軽減に役立つケースもあり、膝のケアには欠かせない成分です。

骨づくりに必要なカルシウムやたんぱく質

膝関節をしっかり支えるためには、骨と筋肉の土台を整えることも意識しましょう。

その中心となる栄養素がカルシウムとたんぱく質です。カルシウムは骨の主成分であり、不足すると骨密度が低下し、関節への負担が増加することになります。特に閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まりやすいため、意識的に摂取しましょう。

また、たんぱく質は筋肉の材料となり、膝まわりの筋肉を強化することで、関節への負荷を軽減する効果があります。食材では、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、大豆製品、鶏むね肉、卵などがバランス良く取り入れやすいです。

筋力トレーニングや日常的なウォーキングと組み合わせることで、栄養の効果がより実感しやすくなります。

抗酸化成分で炎症ケアも◎

膝関節の痛みには“炎症”が深く関係していることが多く、これを和らげるためには抗酸化成分の摂取が有効です。

特にビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールといった成分には、体内の活性酸素を抑え、関節の炎症を鎮める作用があるとされています。これらの栄養素は、膝だけでなく全身の健康維持にもプラスの影響を与えるので、積極的に摂取しましょう。

抗酸化成分は、パプリカ、ブロッコリー、にんじん、トマト、ブルーベリー、緑茶などの食材に豊富に含まれています。彩りの良い野菜や果物を積極的に取り入れることで、膝への負担を軽減し、関節の老化スピードもゆるやかにしてくれます。

日々の食事に「あと一品の抗酸化カラー」を加えるだけでも、膝の健康づくりに大きく貢献します。

老化による膝の痛みにおすすめのサプリ5選

では、ここからは老化や加齢による膝の痛みにおすすめのサプリを5つ紹介していきます。

膝軟骨の成分が含まれたサプリもあり、軟骨形成をサポートしてくれるので、膝に違和感や歩く時に少しつらくなってきたといった悩みを抱えている方におすすめです。

飲み方や形状（粉状、錠剤）なども、さまざまなので自分に合ったものを探してみてくださいね！

膝痛で病院を受診すべきタイミング

膝の痛みが続いていると、「これって病院に行ったほうがいいのかな？」と悩む方も多いです。自己流のケアで済ませるのも一つの選択ですが、見逃せない症状が出ている場合は早めの受診が重要です。

ここでは、整形外科への受診を検討すべきサインや、見極めポイントを詳しくご紹介します。

痛みが強くなる／夜間もつらいとき

日中の動作時だけでなく、安静時や夜間の就寝時など、常に痛みが出る場合は、膝関節に深刻なトラブルが起きている可能性があります。

特に「ズキズキと響くような痛み」「寝返りを打つたびに目が覚めるほどの違和感」などがある場合は要注意です。慢性的な炎症や関節内部の損傷が進行しているかもしれません。

変形性膝関節症の中〜後期や、関節リウマチなどの疾患では、夜間痛や朝のこわばりがみられることもあります（※参考：日本整形外科学会公式サイト)。一時的な痛みとは異なり、こうした症状は放置すると悪化する傾向があるため、早めに整形外科を受診し、画像診断や適切な処置を受けることが大切です。

膝が腫れている・熱を持っている

膝関節の腫れや熱感がある場合、関節内部で炎症や感染が起きているサインかもしれません。

’軽度であれば打撲や疲労による一過性の炎症ですが、慢性的な腫れや繰り返す熱感が続く場合は「関節液（関節水腫）」がたまっている可能性もあるので、注意が必要です。

変形性膝関節症、滑膜炎、痛風、感染性関節炎などが原因となることもあり、中には早急に治療が必要なケースもあります。腫れが強く、曲げ伸ばしができない・歩くのも困難なほどの状態であれば、整形外科を早めに受診してください。

膝に注射を打ったり、関節液を抜いて原因を調べるなどの対応が必要なケースもあります。

歩行困難や不安定感があるとき

「歩くたびに膝がガクッとする」「体重をかけると抜けそうになる」といった不安定感が出てきたら、膝関節まわりの靭帯や半月板、筋肉に問題が起きている可能性があります。特に、過去に膝をケガした経験がある方や、急な痛み・転倒をきっかけに症状が悪化した方は、注意が必要です。

歩行に支障が出る状態を放置すると、筋力の低下や関節の拘縮（動かしにくくなる状態）にもつながり、悪循環に陥ってしまいます。

また、片足をかばって歩くクセがつくと、腰や股関節、反対の膝にも負担が広がります。歩行の安定性が不安になったタイミングで、整形外科での診断を受け、必要に応じてリハビリや装具の提案を受けることをおすすめします。

まとめ

膝の痛みを「老化だから仕方ない」と片付けてしまうのは少し危険です。

加齢による軟骨のすり減りや筋力低下は自然な変化ですが、適切な食事、運動、ケアによって進行を遅らせたり、痛みを和らげることもできます。

まずは自分の膝の状態を知り、無理なく続けられる対策を日常に取り入れることが第一歩です。必要であれば医療機関の力も借りながら、これからの生活をより快適にしていきましょう。年齢に負けず、元気に動ける身体づくりを目指して、今日から少しずつ始めていきませんか？