リースバックを利用しても家賃補助を受けられるか気になる方も多いでしょう。結論から言うと、リースバックを利用することで家賃補助を受けることが可能です。
しかし、家賃補助の条件は企業や自治体によって異なるため、詳細を確認することが重要です。この記事ではリースバックで家賃補助をもらう一般的な条件を紹介します。
- 持ち家のリースバックを検討している
- リースバック後に家賃補助を受けられるのか知りたい
- リースバックの仕組みを改めて理解したい
リースバックでも家賃補助はもらえるのか?
まずはリースバックでも家賃補助がもらえるのか、また家賃補助の種類について解説します。
家賃補助はもらえる
リースバックを利用しても家賃補助を受けることは可能です。リースバックをおこなうと、家を売却し、その後は賃貸としてその家を利用する形になります。
売却によって家の所有権を手放すことで、賃貸物件として扱われるようになり、家賃補助を受けるための条件を満たすことができます。
家賃補助の種類
一言に家賃補助といっても、会社からの支給か自治体からの支給かによって事情は異なります。ここではそれぞれの家賃補助の詳細を紹介します。
会社から支給される家賃補助
一部の企業では、福利厚生の一環として家賃補助を提供しています。しかし、すべての企業がこの制度を導入しているわけではありません。経営が不安定な一部の中小企業では、家賃補助のような福利厚生を提供することは難しいでしょう。
また、家賃補助を受けられる対象者にも会社ごとに制限があり、全員が対象となるわけではありません。
自治体から支給される家賃補助
多くの自治体では、独自の家賃補助制度を設けています。制度の内容は自治体ごとに異なりますが、家族構成や収入、住居の居住年数などに基づいて利用条件が設定されています。これらの条件を満たしていれば、自治体からの家賃補助を受けることが可能です。
リースバックで家賃補助をもらう条件
リースバックで家賃補助をもらうにはどのような条件を満たせばいいのか、一般的な条件をいくつか紹介します。
会社の規定を満たしている
会社から家賃補助を支給してもらう場合、各会社が定めた基準を満たす必要があります。具体的には通勤距離、自宅の最寄り駅から会社の最寄り駅までの距離、勤続年数や役職などです。他にも、年齢制限や支給額の上限が設けられているケースもあります。
どこの地域か
自治体の家賃補助の場合、どこの地域に住んでいるかが重要です。特に、東京や大阪などの都市部では家賃が高いため、家賃補助も多くなることが一般的です。
賃貸か持ち家か
家賃補助の額は、住まいが持ち家か賃貸かによっても変わります。一般的に、持ち家の場合は家賃補助が低く、賃貸の場合は高くなる傾向があります。そのため、持ち家から賃貸住宅に引っ越すことで、より多くの家賃補助を受け取れる可能性があります。
世帯主か否か
家賃補助を受けるためには、世帯主であることが必要な場合があります。実家暮らしや同居人名義の住居に住んでいる場合、家賃補助が支給されないことがあるので注意しましょう。
今更聞けないリースバックの仕組み
リースバックは、所有している不動産を売却することでまとまった資金を得る方法です。売却後もその不動産を引き続き使用したり、再購入したりできる点が特徴です。ここではあらためてリースバックの流れや家賃の決まり方などを解説します。
リースバックの流れ
リースバックをおこなう際には、最初に家の市場価値を査定してもらいます。この査定はリースバック業者に依頼すると最短で即日に結果が得られます。査定結果に納得したら、持ち家を売却し、その売却代金をリースバック業者から受け取り、売却は終了です。
その後、売り手とリースバック業者は賃貸借契約を結びます。これにより、売り手は売却した家を賃貸として利用することができ、家賃を毎月リースバック業者に支払うことで、これまで通りの家で生活を続けられます。以上がリースバックの基本的な流れです。
リースバックの家賃
リースバックを利用する前は家賃の支払いは不要でしたが、リースバック後は家賃を支払うことになります。
家賃の計算方法は、「買取価格 × 期待利回り ÷ 12カ月 + リースバックにかかる諸費用」となります。
家賃が相場より高くなりやすい理由は、リースバックを利用することで不要になる管理費、維持費、固定資産税、保険料などの費用が家賃に含まれているためです。これらの費用は物件の所有権が買い手に移行することで売り手が支払わなくて済むものですが、その分家賃に組み込まれるため、高くなるのです。
また、リースバックの場合、買い手は物件の自由な売買ができないため、買い手にとってはデメリットがあります。このデメリットを補うために家賃が高く設定されることもあります。
リースバックの売却金額
リースバックによる売却金額は、市場相場よりも低くなることが多いです。したがって、売却で得た資金がリースバック後の家賃を十分にカバーできるとは限りません。
家賃の滞納について
家賃が割高であるため、長期的に住み続けると家賃負担が増大します。もし家賃を滞納すると、電話や書面で督促がおこなわれますが、これに応じず支払いができない場合は、最終的には退去を余儀なくされます。
通常、退去までの期限は3ヶ月ですが、強制退去の手続きには最短で6ヶ月ほどかかるため、猶予期間は6ヶ月から1年ほどあります。
さらに、家賃を滞納すると、再購入の権利も失われる可能性があるため、再購入を希望している場合は注意が必要です。
リースバックでの家賃補助に関連してよくある質問
最後にリースバックに関連してよくある質問に回答します。
リースバックでも家賃保証会社と契約できますか?
リースバックを利用する際、家賃保証の仕組みを活用することが可能です。ただし、一般的に十分な収入がない場合や保証人を用意できない場合、リースバックでは難しいこともあります。
ただし、家賃保証会社が家賃を支払った場合でも、家賃の支払いが終了するわけではありません。支払いの相手が家の買い手から家賃保証会社に変わるだけで、支払い義務は引き続き残るため、注意が必要です。
リースバックをすると、なぜ家賃が相場より高いのですか?
リースバックの家賃は、一般的な不動産賃貸と異なり、周辺の賃料相場だけで決まるわけではありません。不動産の売却価格やその他の要因が影響するため、家賃が相場よりも高く設定されることがあるのです。
具体的に言えば、「住宅ローン残高の多い物件」や「競売が申し立てられた物件」などは、売却価格が高く設定されざるを得ません。その結果、家賃が周辺の賃料相場よりも高くなることが多いのです。
これは、リースバックを利用する際に、運営会社が買取をおこなうためには、住宅ローンの抵当権を抹消する必要があるためです。いずれにしても、売却後の家賃の高さはリースバックのデメリットの1つであるため、十分に注意が必要です。
どうすればリースバックの家賃を安くできますか?
家賃を決定する際は、売却価格と期待利回りが影響します。つまり、売却価格を下げ、期待利回りが低い運営会社を選ぶことで、家賃を抑えることが可能です。
したがって、家賃を重視するなら、複数の会社に査定を依頼し、期待利回りの低い会社を選定して売却価格を下げるのが効果的です。
ただし、運営会社の方針によっては、交渉に応じてもらえない場合もあるため、事前に価格や家賃の相談が可能かどうかを確認することが重要です。
リースバックは何年くらい住み続けられるのですか?
リースバック契約後に自宅に住み続けられる期間は、賃貸借契約の形態によって異なります。一般的には、2~3年の普通借家契約や再契約の制限がない定期借家契約が多く見られます。
更新や再契約を繰り返すことで、長期間住み続けられるケースが多いですが、中には更新ができずに退去を求められるケースもあるので注意が必要です。住みたい期間に応じた契約内容になっているか、契約書の細部までしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
リースバックを利用することで家賃補助を受けることは可能ですが、距離や勤続年数、役職などの条件を満たす必要があります。条件は各企業や自治体の規定によって異なるので、事前にきちんと確認しましょう。