相続した家や空き家で放置している家、売るか貸すかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家を「売る」メリットデメリット、家を「貸す」メリットデメリットに分けて紹介をしていきます。どの方法で利益を出そうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
自分の家がどちらの方法が良いか、悩んだ時に選ぶポイントについても紹介します。
家を「売る」メリットデメリット
ここでは、まず家を「売る」メリットデメリットについて見ていきます。
家を売るメリット
家を売るメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 固定資産税や維持費がかからなくなる
- まとまった現金が一括で手に入る
- 管理・メンテナンスなどの手間がいらなくなる
一つずつ詳しく解説していきます。
固定資産税や維持費がかからなくなる
家を売る大きなメリットとして、固定資産税や維持費がかからなくなる点が挙げられます。固定資産税の平均は、年間おおよそ10〜15万円とされており、誰も住んでいない空き家でもかかってくる固定費です。
また、空き家を維持するためにかかる費用の平均は、概算で20〜100万円近い金額となり、維持をするだけでも年間10万円以上の費用がかかります。
家を売ることで、年間にかかってくる固定費がなくなり、経済的に安定できる面が最大のメリットといえるでしょう。
まとまった現金が一括で手に入る
まとまった現金が一括で手に入る点も、家を売るメリットです。
家を売ることで確定した売却益が得られるので、それを住宅ローンの返済に充てたり、資産運用に回したりとさまざまなことに活用できます。
一般的に、築年数は浅ければ浅いほど、売却益も高額になるので、家を売るか貸すかで悩んでいる場合は、早めに検討してみてください。
管理・メンテナンスなどの手間がいらなくなる
家を相続した場合、その家に誰も住んでいない場合でも、空き家として放置せず管理をしなければならない「管理責任」の義務が発生します。
経年劣化が著しい場合や不具合がある場合は、早めに対処しなければなりません。家を売ることにより、そういった管理義務も発生しなくなるので、メリットと感じる方も多いでしょう。
家を売るデメリット
では、次に家を売るデメリットについてみていきましょう。
- 家を手放すことになる
- 将来的な収益を見込めなくなる
- 住宅ローンを完済する必要がある
家を手放すことになる
家を売ることは、所有者が変わり手放すことになるので、そこをデメリットに感じる方も多いです。資産を手放すことになるので、将来的にまた住んだり、収益を得ることはもちろんできません。
また、家族間での意思疎通が不十分なことで、家を手放したことに後悔するご家庭もあります。思い出深い場所でもあるので、売却の意思やタイミングはしっかりと話し合って決めるようにしましょう。
将来的な収益を見込めなくなる
家を売るデメリットの一つとして、将来的な収益が見込めなくなる点も挙げられます。
将来的にその土地の価値や建物の価値が上がって、収益化が見込める物件だったとしても、売却することでその恩恵は受けられなくなるでしょう。
売却価格と活用する際の収支を計算し、損をしないように後悔なく家の活用を決めてください。
住宅ローンを完済する必要がある
家を売却する際、住宅ローンを完済する必要があります。
一定の条件を満たしていれば、返済中でも売却は可能ですが、売却金額を住宅ローンの返済に充てることになるので、利益が少なくなってしまうことも念頭に置いておく必要があるでしょう。
家を「貸す」メリットデメリット
次に、家を「貸す」メリットデメリットについて見ていきます。売却とは、どのような違いがあるのでしょうか。
家を貸すメリット
家を売るメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 継続的な収益が見込める
- 家を所有し続けることができる
- 将来的に再度暮らす選択もできる
一つずつ詳しく解説していきます。
継続的な収益が見込める
家を貸す最大のメリットとしては、継続的な収益が見込めることです。
売却であれば、一括でまとまった金額が手に入りますが、一回ポッキリなので、増額はできません。家を貸すことで、条件さえ揃えば継続的な収益を見込むことができ、プラスにすることも可能なのです。
集客が可能で、尚且つ家賃も高いエリアであれば、賃貸もおすすめです。戸建てに限らず、マンションなどであれば、より収益性が見込めるでしょう。
家を所有し続けることができる
家を所有し続けることができるのも、家を貸す大きなメリットでしょう。長年住んできた家や思い出のある家であれば、手放すのは寂しい…と考える方も多いです。
しかし、賃貸などで活用ができれば、家を手放さずに所有し続けることができます。
売ろうか貸そうか迷っている今の家に思い入れがある場合は、賃貸での活用も検討してみてください。
将来的に再度暮らす選択もできる
所有していれば将来的に再度その家に住むことも可能です。
売却してしまうと、その家でまた暮らそうと思えば、再度購入の手続きを取る必要があり、住宅ローンを組む必要があります。それは、あまり現実的ではないでしょう。
売却せず、賃貸で活用することで将来的に入居者の入れ替わりのタイミングなどで、費用を支払わずにまた住むことができるのです。
現在の売却や賃貸を考えている家に将来的にそこに住みたいと考えている方は、所有しておくことをおすすめします。
家を貸すデメリット
では、次に家を売るデメリットについてみていきましょう。
- 維持費・管理費がかかる
- リフォームなどの初期費用がかかることが多い
- 条件次第では利益が見込めない場合もある
維持費・管理費がかかる
維持費・管理費がかかるのは、家をかす最大のデメリットと感じる方も多いでしょう。借主を探すのにも、広告を出したり、管理会社に依頼することが必要になってきます。
今まで経営の経験がない人であれば、管理会社にお任せすることになるので、依頼する手間も費用もかかってくるでしょう。
また、家の管理やメンテナンスは貸主が行うことになるので、維持費もそれなりにかかり注意が必要です。
リフォームなどの初期費用がかかることが多い
家を貸す際には、古い家であればリフォームに膨大な費用がかかってしまうことも少なくありません。条件的に、必ず集客できて活用が確定できていれば良いですが、そうでなければ損してしまう可能性もあります。
損しないためにも、安くリフォームを終えられて、活用もサポートしてくれる専門家に相談するのがおすすめです。
条件次第では利益が見込めない場合もある
条件次第では、利益が見込めない可能性が高いのも、家を貸すデメリットの一つです。借主が現れなければ、維持費や税金、管理費などでマイナスに転じます。
エリア的に借主が見つかりやすい、家賃が高く設定できるなどの好条件の場合のみ、活用を検討すると安心です。
活用前に専門家と収支計画を練り、シミュレーションしておきましょう。
家を売るか貸すかで悩んだ時は計算式で比較!
家を売るか貸すかで悩んだ時は、比較をしてみましょう!
以下では、シミュレーションの計算方法や比較できるサイトなどを紹介しているので、参考にしてみてください。
売却の場合の収支計算
家を売る場合は、以下の計算式で利益を算出してみてください。
マンション売却による税引き後の利益 = 売却価格 - 売却にかかる諸費用 - 税金
売却価格の相場から「諸費用」「税金」などの要素を引いて、計算していきます。
諸費用としては、
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
などがかかってきます。
住宅ローンが残っている場合は、一括返済の手数料も追加でかかってくるので注意が必要です。
賃貸の場合の収支計算
家を賃貸に出す場合は、「何年かけて元を取るのか」を考えて、収支を計算していく必要があります。
賃貸での収入では「表面利回り」と「実質利回り」の2種類に分類され、計算式は以下の通りです。
表面利回り(%) = (1年間の家賃収入 ÷ 物件価格) × 100
実質利回り(%) = {(1年間の家賃収入 - 諸経費) ÷ 物件価格} × 100
固定資産税や火災保険料、管理費、リフォーム費用などが主に諸経費としてかかってくるので、これらの料金を支出として計算する必要があるでしょう。
売却か賃貸かで悩んでいる方は、イエカレで無料査定をしてみてください。どちらで収益を得るか迷っている場合、イエカレではどちらのシミュレーションもできるようになっているので、売却相場を算出して計算してみましょう。
家を売るか貸すかで悩んだ時の判断基準は?
家を売るか貸すかで悩んだ時の判断基準としては、以下の4つを考えてみてください。
立地や条件を確認する
売却か賃貸かで悩んだ時は、立地や条件を確認することをおすすめします。
立地がよく、集客ができる場合は賃貸の方が継続的に利益を得られて、将来的に手に入る金額が増えるでしょう。人気エリアであればそれなりの家賃も見込めるので、周辺エリアの相場を確認してみてください。
売却であれば、一括で資金が手に入りますが1回だけの利益となります。継続的に収益を得たい場合は、賃貸の選択がベストです。
その代わり、管理の手間や維持費などが必要になるので、何年で元を取れるのかプランを立ててみて、売却とどちらが良いか考えてみましょう。
築年数
家を売るか貸すかで悩んでいる場合、築年数も非常に大切になってきます。
築年数が古い場合、売却となれば価格が下がってしまう可能性も高いです。特に空き家になってから数年放置してしまっていた家などであれば、傷みも激しくなっていて、ほとんど価格がつかない場合もあるでしょう。
貸す場合であれば、内装・外装ともに修繕してからの契約となるので、支出が多くなってしまうことも考えられます。
こちらも前述した通り、収支計算をして、売却と賃貸で将来的にどちらの方が利益を得られるのか確認してから決定しましょう。
住宅ローンの返済状況によっても変わる
住宅ローンの返済状況によっても、売るか貸すかの判断は変わってくるでしょう。
住宅ローンの残債がある家は、基本的に賃貸はできない仕組みになっています。条件次第では、賃貸も可能ですが、原則NGとなっているので難しいでしょう。
売却の場合であれば、売却益で住宅ローンが完済可能な場合、可能となります。
全額完済しているなら、賃貸も売却もスムーズに行うことができるので、家のローンの状態を確認して活用方法を決めていきましょう。
リフォームの有無
リフォームの有無によっても、売却か賃貸かの判断基準は変わってきます。
数年前にリフォーム済みで綺麗であれば、そのままの状態で賃貸にも出すことができるでしょう。しかし、数年空き家にしていて、特に手を加えていない家などであれば、賃貸に出すにはリフォームをする必要があります。
売却であれば相場の値がつく場合もあるので、まずは無料査定などをしてみて、売却価格を確認してみてください。
まとめ
家を売るか貸すかで悩んだ場合は、それぞれのメリットデメリットを理解し、決めることをおすすめします。
また、家の状態や立地、集客条件などもプロに確認し、どちらの方が利益を得られるのかシミュレーションしてから活用方法を考えるようにしてください。
家によってどちらの方が向いているかは、さまざまです。無料の査定ツールを利用して家の価格相場を確認し、賃貸に出す場合は何年で支出を回収して利益が出るのかを計算してから決めていきましょう。