お葬式をする予定なんだけど、親族名簿を作るために家系図が必要…
この記事ではこのような問題を解決するために、家系図の調べ方3選を紹介します。また、家系図の作成に役立つ戸籍の取得方法、必要な準備、および注意点についても解説するので参考にしてください。
家系図の調べ方は3種類
家系図の調べ方には
- 戸籍謄本で調べる
- 過去帳や文献で調べる
- 業者に依頼する
の3つがあるので、順番に解説します。
戸籍謄本で調べる
戸籍謄本を利用した家系図の調べ方は、市役所や区役所などで管理されている公式記録から、自分の家系を探る方法です。この方法では、まず必要な戸籍謄本を各自治体から取得し、それを元に家系図を組み立てていきます。戸籍謄本を請求する上で知っておきたい基礎知識は以下の通りです。
戸籍謄本の請求にかかる費用
戸籍謄本1通の発行には、約450円の費用がかかります。家系をたどる範囲にもよりますが、一般的には一つの家系で5から10通が必要になるため、全体で約2,000円から5,000円の予算を見積もると良いでしょう。
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戸籍謄本の種類
戸籍謄本には現在戸籍、除籍、改製原戸籍の3種類が存在します。基本的に使用するのは現在戸籍ですが、除籍と改製原戸籍についても押さえておきましょう。
現在戸籍:現在使用されている戸籍
除籍:結婚や逝去、養子縁組などにより戸籍から名前が抹消された人々の記録。相続時に法定相続人を調べる際にも使用される
改製原戸籍 (かいせいはらこせき):法令の改正による戸籍の様式が変更に伴って生まれた戸籍。「原戸籍」とも呼ばれ、改正前の戸籍を指す。
過去帳で調べる
家系図の調査において、戸籍謄本だけでは解明できない情報がある場合、寺院に保管されている過去帳を活用できます。
過去帳は、寺院において信者やその先祖の戒名、逝去年、死亡年齢などを記録した帳簿です。こちらを参照すれば、戸籍謄本では判明できない先祖の情報を得られる場合があります。
なお、過去帳を利用する際は菩提寺の僧侶に依頼し、家系図に関する情報を書き出してもらう必要があります。この際、お礼として5,000円から10,000円程度のお布施を支払うことが一般的です。
業者に依頼する
日本国内には家系図作成を専門とする多くの業者が存在し、これらの業者は戸籍謄本の調査だけでなく、文献調査、聞き取り調査、さらには現地調査まで幅広い方法を駆使して情報を収集します。これにより、一般の人ではアクセスしづらい詳細な情報も得ることが可能です。
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業者に依頼するメリット
専門業者に家系図の作成を依頼する最大のメリットは、彼らが持つ専門的な知識と技術です。業者は江戸時代後期以前の情報を含め、場合によっては平安時代まで遡って調査することが可能です。特に、調査が行き詰まったり、より遠い祖先の情報を求める場合には非常に有効です。
依頼費用
家系図業者のサービスは徹底的な調査を伴うため、費用は比較的高額になることがあります。全面的な調査を依頼した場合、費用は100万円を超えることも珍しくありません。そのため、依頼前には正確な見積もりを取ることが重要です。
行政書士によるサービス
家系図作成だけでなく相続や遺産の相談にも携わる行政書士も家系図作成のプロフェッショナルです。行政書士に依頼する場合、その費用は一般的に50,000円から60,000円の範囲であることが多いです。
行政書士事務所の中には、家系図作成を専門に扱うところもありますので、費用対効果を考慮したうえで選択しましょう。
戸籍謄本で調べる際に用意するもの
家系図を戸籍謄本から作成する際には、いくつかの必要書類と手続きが必要ですので解説します。
戸籍交付申請書
戸籍謄本を請求する際は、各自治体が定める戸籍交付申請書が必要です。この申請書は自治体のホームページからダウンロード可能で、検索時には「(自治体名) 戸籍謄本 郵送」と入力すると見つけやすいです。
申請書には宛名、日付、請求者の情報、必要な戸籍の種類、使い道などを記入します。特に「必要な戸籍」欄には、最新の筆頭者の情報を明記し、「他」を加えると数世代にわたる戸籍の一括請求が可能です。
身分証明書
戸籍謄本を請求するためには身分証明書が必要です。窓口での請求では身分証の原本を、郵送請求ではコピーを用意します。利用可能な身分証明書には運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、写真付き住基カード、健康保険証などがあります。
発行手数料
戸籍謄本の発行手数料は、一通あたり約450円です。複数の謄本が必要な場合は、その数に応じて手数料が増えるため、事前に必要枚数を見積もります。郵送で請求する際は定額小為替を利用し、10,000円程度を準備しておくことが推奨されます。
その他
郵送で謄本を請求する場合、返信用封筒と切手も必要です。大きめの角形2号封筒かレターパックを利用するのが一般的です。
戸籍謄本で調べる手順
ここでは、家系図の調べ方の中でも主流である「戸籍謄本で調べる手順」を状況別に紹介します。
役所の窓口で請求する場合
役所の窓口で戸籍謄本を直接請求する場合の手順は、以下のとおりです。
⑴本籍地の確認
戸籍謄本は本籍地の自治体でのみ発行されます。そのため、まずは自分の本籍地を確認する必要があります。これは住民票の取得時に本籍地の情報も一緒に請求することで知ることが可能です。
⑵戸籍謄本の請求
本籍地の自治体を訪れ、窓口で戸籍謄本の請求をおこないます。謄本と抄本の選択肢がありますが、家系図作成に必要なのは謄本ですので、謄本の発行を申請しましょう。
⑶必要書類の提出と手数料の支払い
戸籍謄本を請求する際は、身分証明書(運転免許証やパスポートなど)が必要です。また、謄本1通につき450円程度の手数料が発生するため、必要な数だけ手数料を支払います。
⑷戸籍謄本の受け取り
手続きを完了した後、戸籍謄本はその場で発行されることが多く、すぐに受け取ることが可能です。ただし、発行に時間がかかる場合や郵送を希望する場合は、その旨を窓口で申し出て手配します。
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郵送で請求する場合
郵送で戸籍謄本を請求する手順は、以下のとおりです。
⑴本籍地の確認
自分の本籍地は、本籍地が記載された住民票を取得すれば確認できます。
⑵戸籍謄本請求書の準備
本籍地の自治体が提供する戸籍謄本請求書を準備します。請求書は自治体のウェブサイトでダウンロードが可能です。請求書には謄本を請求する人の名前、住所、関係性、必要な戸籍の種類(謄本または抄本)などを明記します。
⑶身分証明書のコピーの準備
請求書とともに、身分を証明する書類のコピー(運転免許証、パスポートなど)を同封します。これにより、本人確認が行われます。
⑷手数料の支払い
手数料は、謄本1通につき約450円が一般的です。郵送での請求の場合、手数料は定額小為替で支払うのが一般的です。必要な手数料を計算し、適切な金額の定額小為替を準備して請求書と一緒に送ります。
⑸返信用封筒と切手の準備
返信用封筒には自分の住所を記入し、適切な額面の切手を封筒に貼り付けておきます。これにより、発行された戸籍謄本が返送されます。
⑹書類の送付
以上の書類を整えたら、本籍地の市町村役場の戸籍課あてに郵送します。すべての書類を確実に同封し、内容を再確認してから送りましょう。
なお、郵送での請求は書類の到着までには数日から1週間程度の時間がかかる場合があるので、余裕を持って手続きすることをオススメします。
戸籍謄本で調べる際の注意点
戸籍謄本を使用して家系図を作成する際は、いくつかの注意点があるので解説します。
作業が大変
戸籍謄本の取得には時間と労力がかかります。必要な戸籍謄本が5〜10通にも及ぶことがあり、それらが届くまでに2ヶ月程度かかることもあります。
調査範囲を決めておく
家系調査をおこなう際は、どの時代や範囲まで調べるかを事前に決めておくことが重要です。先祖が多数登場するため、調査範囲が広がり過ぎると作業が困難になります。
本籍地の変更や市区町村の合併に注意
本籍地に関する記録は、市区町村の合併や行政区域の変更により変わることがあります。合併によって本籍地が消滅している場合や、住所の表記が変わっている場合もあるので注意が必要です。
戸籍謄本を取得できないこともある
2010年の戸籍法改正により、戸籍の保存期間が150年に設定されましたが、それ以前は80年とされていたため、1930年(昭和5年)以前に除籍となった戸籍は廃棄されている可能性があります。
保存期間が過ぎた戸籍も一部自治体で残されていることがありますが、取得が不可能なケースもあるため、事前に自治体に確認することをオススメします。
家系図の調べ方についてのまとめ
家系図の調べ方には主に3つの方法が存在します。中でも一般的なのは戸籍謄本を使って調べる方法であり、葬儀で使用する親族名簿を作成するのが目的であれば、その方法で十分です。
葬儀の準備は迅速に進める必要があります。亡くなる前に親族名簿の準備をするのは不謹慎と感じる方もいるかもしれませんが、必要になってから急いで対応するのは中々難しいでしょう。
親族が多く、正確な親族の情報を把握していない場合は、早めに家系図を調べ、親族名簿を作成することをオススメします。