家を査定する際、「事前に掃除が必要なのか」「掃除をすれば査定額が上がるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論として、掃除そのものが査定額を直接引き上げることはほとんどありません。
実は、清掃が必要なのは「査定前」ではなく、「内覧」や「引渡し」のタイミングです。
- 家の査定の前に掃除をした方がいいのかどうか知りたい方
- 掃除をするならどこを重点的にすればいいのか知りたい方
- 家の査定で評価されやすいポイントを知りたい方
そこで本記事では、家の売却における掃除の役割、査定で評価されやすい家の特徴や、査定額を高くするためのコツなどを紹介します。
これから家の査定をしようと思っている方は参考にしてください。
家の査定前に掃除をすれば査定額は上がるか?
まずは「掃除をして家を綺麗にしたからと言って、家の査定額が上がるわけではない」と言える根拠を解説します。
しかし、だからと言って家の売却で掃除が不要というわけではありません。掃除が必要になるタイミングもあわせて解説するので、参考にしてください。
査定額が上がるわけではない
家を査定する際に掃除を行っても、査定額が上がるわけではありません。
なぜなら、不動産会社が査定額を決定する主な要素の中に、「室内が綺麗かどうか」は含まれないからです。
実際には周辺環境や築年数、構造、物件の状態などの客観的な要素を基に査定されます。
ただし、査定を受ける際に必要以上に家が汚れている場合、査定担当者の印象が悪くなる可能性はあります。
掃除が必要なタイミング
家の掃除が重要になるのは「査定前」ではなく、「内覧のとき」と「引き渡しのとき」です。
内覧のとき
購入希望者が実際に家を訪れる内覧時は、物件の第一印象を左右する大切なタイミングです。
清潔感のある状態に整えておくことで、購入希望者に好印象を与えられます。
内覧時の印象が購入決定に大きく影響するため、丁寧に掃除をしておきましょう。
引き渡しのとき
売却後、物件を買主に引き渡す際も、掃除は必要です。一般的には、引き渡し時には清潔な状態にしておくのがマナーとされています。
丁寧に掃除をして引き渡すことで、売却後のトラブルを防ぐことにも繋がります。
ただし、買主がリフォーム予定の場合は、掃除の範囲や必要性について事前に確認しておくとよいでしょう。
本気で家を高く売りたいなら掃除した方が良い場所
家を本気で売りたいのであれば、内覧者に好印象を与えられるように、以下の3つの場所を重点的に清掃することをおすすめします。
トイレ・お風呂
水回りは内覧者が特に注目するポイントです。衛生面を気にする人は多いので、清潔感を保つことが大切です。
トイレ:
便器内の黒ずみや汚れを市販の酸性洗剤などでしっかり落としましょう。また、便座や周辺も拭いておくとよいです。
お風呂:
浴室の鏡を磨いてピカピカにし、カビや水垢を丁寧に取り除くことで、浴室全体の印象が良くなります。
キッチン
キッチンは日々の使用頻度が高く、内覧時にも必ずチェックされる場所です。
油汚れや水垢をしっかり取り除き、特にコンロ周りやシンクをピカピカにしておきましょう。
生ゴミの臭いは大きなマイナスポイントとなるため、排水口もきれいに掃除し、ゴミを処理して臭い対策を万全にすることが重要です。
玄関
玄関は家の第一印象を左右する重要な場所です。清潔感のある玄関は、内覧者に良いイメージを与えます。
土汚れやホコリを掃き取り、玄関マットや靴箱周辺も整頓しましょう。不要な靴を片付け、空間をすっきりさせると広くて清潔に見えます。
家の査定で評価されやすいポイント9選
査定の結果は、家の特徴や条件によって大きく変わります。
間取りや築年数だけでなく、設備や周辺環境など、さまざまな要素が評価の対象となります。
これらをしっかり把握しておけば、査定時の対応で困ることは基本的になくなるでしょう。
ここでは、家の査定で特に評価されやすいポイントについて、
- 間取り
- 築年数
- 構造
- 設備
- 日当たりと風通し
- 眺望
- 耐震性
- 物件の状態
- 周辺環境
以上の9点を解説します。
間取り
間取りは、査定額を決めるうえで最も重要なポイントの一つです。
部屋数や広さだけでなく、キッチンやバスルーム、トイレなどの配置や動線が良好かどうかも評価されます。
動線が良ければ生活がしやすくなるため、査定額にプラスの影響を与える可能性があります。
築年数
築年数も査定において大きなポイントです。一戸建ての場合、新築から資産価値は徐々に減少し、築20年程度でほとんど価値がなくなるとされます(所得税法で木造住宅の耐用年数が22年と定められていることに基づいています)。
そのため、築年数が浅い物件ほど高い評価を受けやすいです。
構造
家の構造は耐久性に直結するため、査定で注目されるポイントの1つです。
木造や鉄筋コンクリート造など、建物の構造ごとに耐用年数が異なり、耐用年数が長い構造は査定額が高くなる傾向があります。
設備
設備の状態も査定に影響を与えます。特に水回り(キッチン、トイレ、バスルーム)のメンテナンスが行き届いている物件は評価が高くなりやすいです。
収納設備や最新の電気設備が整っている場合、基本的にプラス評価となります。
日当たりと風通し
日当たりの良さや風通しの良さは、住みやすさに直結するため重要視されます。
特にマンションでは南向きの物件が人気であり、高評価を得る傾向があります。周辺に建物が少なく風通しの良い環境もプラス要素です。
眺望
良い眺望を持つ物件は、査定額が高くなりやすいです。
例えば、広い庭や景色の良い窓からの眺めがある家は購入希望者にとって魅力的であるため、高く評価される傾向があります。
耐震性
日本では耐震性も重要な評価ポイントです。1981年以降に建てられた「新耐震基準」の建物は耐震性能が高く、査定でも高い評価を受けます。
特に、耐震等級が高い建物はさらに評価が上がります。
物件の状態
築年数が浅くても、物件自体の状態が悪いと査定額は下がるため注意が必要です。例えば、外装のひび割れや雨漏り、シロアリ被害などがあると評価は低くなります。
一方で、メンテナンスが行き届いた物件は、築年数が古くても高評価を得る可能性があります。
周辺環境
周辺環境は住みやすさを左右するため、査定においても重視されます。そのため、駅やスーパー、学校、病院などの生活に便利な施設が近い物件は評価が高くなります。
また、騒音や異臭がない、治安が良いなどの要素がプラス評価になることも多いです。
家の査定額を高くするコツ
掃除をしても別に査定額が高くならないんですね。他に高くするコツはありますか?
という方のために、ここでは家の査定額を高くするコツを解説します。
同じ物件でも査定額は不動産会社によってばらつくものですが、きちんと戦略を立てれば、家の査定額や売却価格を引き上げることは可能です。
査定額を高くするためのポイントとして、
- 相場を事前に把握しておく
- 相場よりやや高めの価格設定にする
- 2月〜3月を狙って売る
- 一括査定サービスを活用する
以上の4つを解説します。
相場を事前に把握しておく
家の査定を受ける前に、売却予定の物件がどのくらいの相場で取引されているかを確認しておきましょう。
不動産会社ごとに査定額が異なる場合もあるため、基準となる相場を把握しておくことが重要です。
相場を知ることで、極端に低い査定額を提示された場合にも冷静に対応できます。また、悪徳業者に騙されないためにも、事前の情報収集は欠かせません。
相場よりやや高めの価格設定にする
家を高く売るためには、売り出し価格を相場より少し高めに設定するのがポイントです。
多くの買主は価格交渉を行うため、あらかじめ価格を高めに設定しておくことで、値引き交渉に対応しつつ適正な価格で売却しやすくなります。
ただし、価格をあまりにも高く設定すると、買い手がつかず、売却が長引く可能性があるため注意が必要です。
2月〜3月を狙って売る
家の売却は、売りやすい時期を狙うと高く売れやすい傾向にあります。
特に2月から3月にかけては、新生活を控えた引っ越し需要が高まる時期です。
このタイミングで売り出すことで、多くの買主の目に留まりやすくなり、高値での売却が期待できます。
一括査定サービスを活用する
複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額を比較することで最適な条件を見つけられます。
一括査定サービスを利用すれば、最短数十秒で複数社の査定額を一度に把握できるので便利です。
家の査定前の掃除に関してよくある質問
最後に、家の査定前の掃除に関してよくある質問に回答します。
まとめ
家の査定前の掃除は必須ではないものの、内覧時や引き渡し前にはおこなうことをおすすめします。
また、査定額を高くするためには、あらかじめ相場を把握し、適切な価格設定や売却のタイミング(2月〜3月がおすすめ)を考えることが重要です。
なお、売却を依頼する不動産会社を選ぶ際は一括査定サービスを利用し、複数の査定内容を比較しましょう。