不動産のAI査定の精度が低い理由|メリット・デメリットも解説

不動産のAI査定精度

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不動産のAI査定は、手軽さとスピードが魅力の新しい査定方法です。

特に、匿名で利用できる点や、短時間でおおよその価格を知れる点が多くの利用者に支持されています。

しかし、AI査定は現場の詳細な情報を反映できないことから、「精度が低いのではないか?」と疑問に思う人がいることも事実です。

この記事がおすすめの人
  • AI査定を使ってみたいが精度が気になる方
  • AI査定をするならどのサービスがいいか知りたい方
  • とりあえずおすすめのAI査定サービスを知りたい方

そこで本記事では、不動産のAI査定の仕組みや精度が低い理由を掘り下げるとともに、そのメリット・デメリットについて解説します。

さらに、売却を真剣に検討している方におすすめの一括査定サービスも紹介します。

不動産売却を検討している方は参考にしてください。

目次

不動産のAI査定の精度が低い理由

精度低い

不動産のAI査定の精度が低いと言われるのには、いくつか理由があります。

そこで本章では、AI査定に対する世間の印象(アンケート結果)や、AI査定の仕組み、AI査定の精度が低い理由を紹介します。

AI査定に対する印象を調査した結果(数値情報に変える)

不動産のAI査定に関して、筆者が100人に対して独自におこなったアンケートの結果は以下の通りです。

「不動産のAI査定を利用してみたいですか?」という質問に対して、「はい」と答えた人が35%、「いいえ」と答えた人が65%でした。

この結果から、過半数の人が不動産のAI査定についてネガティブな印象を持っていることがわかります。

また、「はい」と答えた人、「いいえ」と答えた人、それぞれの理由をいくつかピックアップしたものが以下です。

【「はい」と答えた人の理由】

情報の一つとして有っても良いから。(50代女性)

人だとその後の営業電話ややりとりが探り合いなのが面倒。たぶんAI査定後も人間が介入してきて電話はあると思うが…(40女性)

ためしてみても良いかと思います(60代男性)

【「いいえ」と答えた人の理由】

実際と差額が大きそうだから高くなったら嬉しいけど低くなることがほとんどだと思うしそうなったら期待していたぶんショックだから(50代女性)

AIによる査定は考えられますが、あまり実績がないからです。ただし、AIによる査定を参考意見の一部とするのはよいことです。最終的な査定は、人間が行うようにしてほしいです(50代男性)

人としっかり対話した方が安心できるからです。(60代女性)

これらのアンケートの結果から、真剣に不動産を売りたいと思っている人ほど、AI査定よりも人間がおこなう査定を望んでいることがわかります。

AI査定とは

ここで改めて、AI査定とは何かを簡単に説明します。

不動産のAI査定とは、機械学習やディープラーニング技術を活用し、物件の市場価格を短時間で予測する方法です。

AIは過去の取引データや公開情報を基に、物件の所在地、築年数、面積、構造などの要素を考慮して査定価格を算出します。

インターネットの環境さえあれば誰でもできるので、短時間でおおよその価格を知りたい人にとっては便利なサービスです。

AI査定の精度が低い理由

では、なぜAI査定の精度が低いと言われているのか、3つの理由を解説します。

理由1:成約事例データの不足

日本の不動産取引では、すべての成約事例が公開されているわけではありません。

一部の不動産会社は成約情報を意図的に登録しないこともあるため、AIが活用できるデータは限られています。

このように最新の成約事例が欠けていると、市場の正確な動向を反映した査定は難しいです。

理由2:現場の情報が反映されにくい

AI査定は、物件の内部状況や周辺環境など現場の具体的な事情を把握できません。

例えば、部屋の状態や周辺の建物の影響、新築マンションの販売状況といった要因は、AIには計算が難しい部分です。

また、特殊な事情(例: 過去に事故があった、フルリノベーションされた等)による価格変動も考慮されない場合があります。

理由3:集客を目的とした戦略的な価格設定

多くのAI査定サービスは無料で提供されていますが、無料で提供しているのは集客するのが目的だからです。

そのため、集客目的で実際よりも高めの査定金額を提示し、ユーザーの関心を引こうとすることもできなくはありません。

そのような場合、現実の成約価格とは異なる可能性があるため注意が必要です。

不動産のAI査定を利用するメリット・デメリット

メリットデメリット

ネガティブな印象が強いAI査定ですが、「匿名で査定が可能」「電話営業が来ない」など、従来の人間による査定とは異なるメリットもあります。

そこで、不動産のAI査定を利用するメリット・デメリットを以下にまとめたので、参考にしてください。

メリット

不動産のAI査定を利用する主なメリットは以下の3つです。

1.時間がかからない

AI査定の最大の特徴は、そのスピーディーさにあります。不動産会社に依頼する訪問査定や机上査定では、担当者とのやり取りや訪問の日程調整などが必要ですが、AI査定ではその手間が一切ありません。

物件の所在地や築年数、面積などの基本情報を入力するだけで、数分から数十秒で査定結果が出るため、忙しい人でも手軽に利用できます。

「まずはおおよその価格を知りたい」という人には特に向いている方法です。

2.匿名で査定が可能

個人情報を提供せず、匿名で査定ができる点も大きなメリットです。不動産会社に名前や連絡先を知らせる必要がなく、プライバシーを守りながら査定を受けられます。

例えば、将来的に売却を考えている物件や、親が所有する不動産の価値を調べたい場合など、周囲に知られずに査定を行いたいときに便利です。

3.電話営業が来ない

通常の不動産査定では、査定後に営業電話が頻繁にかかってくることが一般的です。

しかし、AI査定では不動産会社との直接的な接触がないため、そのような心配はありません。

営業電話を避けたい、まだ具体的な売却を検討していない場合に、安心して利用できるのがこのサービスの魅力です。

デメリット

不動産のAI査定を利用する主なデメリットは以下の4つです。

1.物件の詳細が査定に反映されない

AI査定は、物件の外観や室内状況などの詳細な情報を反映できないという弱点があります。

例えば、築年数が古くてもリフォームやリノベーションで価値が高まった物件や、逆に築浅でも管理状態が悪い物件では、実際の市場価値と査定結果が大きく異なる場合があります。

また、眺望や日当たり、周辺環境といった主観的な価値は考慮されないため、査定結果が想定より悪い可能性があります。

2.査定価格の根拠が不明確

AI査定の価格は、過去の取引データや公開情報を基に算出されますが、具体的な根拠を知ることはできません。

一方、不動産会社の査定では、価格の算出理由について担当者から直接説明を受けることが可能です。

このように、AI査定では単におおよその価格を知るには便利ですが、本格的に売却を進める場合には不十分と感じるケースもあるでしょう。

3.データ不足の場合がある

地方や過疎地にある物件、取引事例が少ない特殊な物件では、AI査定の精度が特に低くなる傾向があります。

過去の取引事例が少なかったり、データが古かったりすると、AIは正確な価格を導き出せないからです。

また、市場が急激に変動しているようなエリアでは、最新の動向を反映しきれない可能性もあります。

4.不動産会社が限定される

AI査定を提供しているのは主に大手不動産会社です。そのため、地域密着型の中小不動産会社はそもそもAI査定に対応していない場合があります。

地域特有の市場動向や物件の個別事情を考慮して査定してほしい場合は、大手より中小不動産会社の方が都合が良いケースもあります。

不動産のAI査定を利用する流れ

シニアスマホ

「興味はあるけど、AI査定のやり方がいまいちわからない!」という方は、以下を参考にAI査定を行ってみてください。

必要な情報を入力する

インターネットでAI査定を提供しているサイトを検索し、サイトを選びます。

サイトが決まったら、物件の住所、間取り、築年数、床面積などの基本情報を入力します。

この情報は購入時の売買契約書に記載されている場合が多いですが、見当たらない場合は管理会社に問い合わせて確認すると良いでしょう。

査定価格を確認する

必要な情報を入力すると、AIが自動で査定を行い、物件の査定価格が表示されます。

以上の手順で、不動産のAI査定を利用することが可能です。

不動産のAI査定が可能なサービス

おすすめ一括査定

「AI査定のサービスが多すぎて、どれがいいのかわからない!」という方のために、筆者がおすすめする不動産のAI査定が可能なサービスをいくつか紹介します。

イエウール

イエウール
引用:イエウール

イエウールのAI査定は、完全匿名で利用できる点が大きな特徴です。名前や電話番号の入力が不要で、気軽に査定額を確認できます。

また、査定結果に加えて直近1年間の成約事例もチェックできるため、売却価格を検討する上でかなり参考になります。過去のデータに基づいた信頼性の高い査定結果が強みです。

東急リバブル スピードAI査定

東急リバブル
引用:東急リバブル

東急リバブルのスピードAI査定は、マンションや一軒家、土地の査定を匿名で行えるサービスです。

住所や間取り、築年数、建物状況を入力するだけで査定額が表示されます。また、Myリバブル会員登録をすると、会員ページで結果を確認できるので、電話営業が苦手な方におすすめです。

IESHIL(イエシル)

イエシル
引用:イエシル

IESHILは、マンション売却を検討している方に適したAI査定サービスです。マンション名を入力するだけで査定価格が表示されるため、手軽に利用できます。

中立的な評価方法に定評があり、資産価値や周辺環境、土地の状況まで多角的に査定してくれるのが特徴です。

また、査定価格だけでなく、対象エリアの災害リスク情報も確認できるため、売却計画を立てる際に役立ちます。

HowMa

ハウマ
引用:ハウマ

HowMaは、基本情報を入力するだけで瞬時に査定額を算出してくれるAI査定サービスです。

多くのサービスが幅のある価格を提示する中、HowMaでは1つの確定した金額を提示する点が特徴的です。

また、成約確率に応じた「チャレンジ価格」や「安心価格」を提示する機能もあり、より具体的な売却計画を立てやすくなっています。全国の戸建て・マンションを広範囲にカバーしているのも強みです。

10秒でDo!

10秒でDo
引用:10秒でDo

ハウスドゥが提供する「10秒でDo!」は、10秒で査定価格を算出できるアプリ型AI査定サービスです。

買取と仲介の両方の価格が提示されるため、自分の希望に合った売却方法を検討できます。アプリ内で査定結果に対する相談が気軽にできるのがポイントです。

SUMiTAS(スミタス)

スミタス
引用:スミタス

SUMiTASは、匿名で利用できるAI査定サービスを提供しています。わずか10秒で査定価格や賃貸の相場を確認でき、スピーディーなところが魅力です。

査定額は過去2年以内の売買事例と500m範囲内の類似物件情報をもとに算出されるため、数あるAI査定の中でも信頼性は高いと言えます。

プライスマップ(LIFULL HOME’S)

プライスマップ
引用:プライスマップ

プライスマップは、LIFULL HOME’Sが提供するサービスで、地図上でマンションの参考価格や周辺の坪単価を視覚的に確認できます。

登録やログインの必要がなく、簡単に相場を把握できるのが強みです。競合物件の価格をチェックして販売戦略を練る際にも役立ちます。

本気で売りたいならAI査定より一括査定がおすすめ

一括査定

AI査定は手軽でおこなえる上に匿名性が高く、細かな情報を入力する手間がないため、手取り早くおおよその価格を知りたいときには便利です。

しかし、本気で不動産を売却したいと考えている場合は、AI査定ではなく一括査定の利用をおすすめします。

以下で、AI査定と一括査定のメリット・デメリットや、一括査定をおすすめする理由について解説したので参考にしてください。

AI査定と一括査定の比較

査定方法メリットデメリット
AI査定・匿名で気軽に利用可能

・短時間で結果が分かる
・価格の正確さに欠ける場合がある

・物件の詳細情報が反映されにくい

・提示された価格の根拠が分からないことが多い
一括査定・複数社の査定価格を一度に比較できる

・売却相場や担当者の信頼性を確認できる
・多くの会社から連絡が来て対応が煩雑になる場合がある

本気で不動産を売却するつもりであれば、最終的には不動産会社の人に現地に来てもらい、訪問査定をしてもらう必要があります。

なぜなら、AI査定でわかるのは参考程度の金額でしかないからです。

一括査定をおすすめする理由

AI査定よりも一括査定をおすすめする理由は主に2つあります。1つは、複数の不動産会社を比較できるからです。

不動産の査定額は、不動産会社によって金額にかなり差が出ます。また、担当者との相性が良いかどうかも、不動産会社によって当たりハズレがあります。

だからこそ、最終的に販売を依頼する不動産会社は慎重に選びたいものです。

その点、一括査定サービスを利用すれば、個別に問い合わせる手間を省きながら、複数の不動産会社から査定価格を取得できます。その過程で担当者とやり取りを重ね、自分にとって最適な不動産会社を選ぶことが可能です。

もう1つの理由は、正確な査定価格が得られるからです。不動産会社は市場の動向や地域特性を日々把握しており、最新の情報をもとに査定を行います。

そのため、AI査定よりも実際の成約価格に近い査定結果が期待できます。

一括査定ならイエウールがおすすめ

一括査定のサービスっていっぱいあるけど、どれがいいの?

そんな疑問をお持ちの方におすすめするのが「イエウール」です。

イエウールは、最大6社の不動産会社を条件に応じて紹介してくれる、業界屈指の不動産一括査定サービスです。

運営は東証スタンダード市場に上場する企業が手掛けており、その信頼性が高いです。

年間20万件を超える売却サポート実績があり、多くの利用者から選ばれています。

また、2023年4月に東京商工リサーチが実施した調査では、提携不動産会社数、利用者数、査定対応エリア数の3部門で国内No.1を獲得しており、非常に高い満足度を誇ります。

イエウールを利用して複数の不動産会社を比較することで、適正価格を把握しやすくなり、より高値での売却が期待できるでしょう。

 

不動産のAI査定に関してよくある質問

QA

最後に、不動産のAI査定に関してよくある質問に回答します。

不動産のAI査定を利用する際に必要な情報は?

AI査定を利用するためには、以下のような情報を入力する必要があります。

  • 物件の所在地
  • 建物の種類(マンション・戸建てなど)
  • 専有面積または延床面積
  • 間取りの構成
  • 築年数
  • 現在の物件の状態(リフォーム済みか否か、劣化状況など)

なお、一部のサービスでは個人情報を入力せずに利用できるものもありますが、メールアドレスの登録が求められるケースもあります。

売却を進めている途中でもAI査定は使える?

すでに売却を進めている場合でも、AI査定を利用することが可能です。

AI査定を活用すれば、物件の基本情報を基にした市場価格の目安を確認することができ、価格の見直しや周辺相場の把握に役立ちます。

訪問査定とどのように使い分けるべき?

AI査定は、初期段階で市場価格の目安を把握するのに便利です。一方、訪問査定は、物件の詳細や環境を含めた正確な価格を算出するのに適しています。

本格的に売却を考えている場合は、AI査定で得た情報は参考程度に留めつつ、訪問査定で最終的な価格を確定するのがおすすめです。

参考:不動産AI査定の開発者が徹底分析 データから見えてきた物件売買の意外な事実

まとめ

不動産のAI査定は、時間をかけずに物件のおおよその価格を把握できる便利なツールですが、その精度には限界があります。

一方、一括査定(訪問査定を含む)は、物件の特徴や市場の最新動向を加味した精度の高い査定結果が期待できます。

これらのことから、AI査定は初期段階の目安として活用し、実際の売却を進める際は一括査定を併用することで、適正価格での売却を目指すのが賢明でしょう。

本格的に売却を検討している方は、AI査定ではなく、以下のボタンから一括査定をおこなってみてください。

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この記事を書いた人

東北出身のWEBライター歴13年。恩師の他界をきっかけにシニア世代に関心を持ち、2024年「セカンドライフ応援協会」を設立。現在は上場企業でWEB施策を担当しながら、シニア向けメディア「えんがわ」を運営中。

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