親族が亡くなった時、初めての経験であれば、何をすれば良いか分からず不安に感じることでしょう。亡くなった当日は特に慌ただしく、冷静に行動するのが難しい場合があります。
- 急に親族が亡くなり、何をすればいいか困っている人
- 亡くなってから葬儀までの流れを知りたい人
- 後悔しない葬儀社の選び方を知りたい人
本記事では、親族が亡くなった当日にやるべきことを6つに絞って解説します。また、亡くなった日から葬儀までの流れや、葬儀社の選び方、一周忌までの流れについても紹介します。
喪主を務める可能性がある方、いざという時の準備をしておきたい方は参考にしてください。
亡くなった当日にやること6つ
「親族が亡くなったときは、とりあえずこれだけは最低限やっておきましょう」という項目を6つ紹介します。
ひとまずこの6つだけ押さえておけば、後々トラブルになるようなことはないでしょう。
死亡診断書の取得
親族が病院で亡くなった場合、医師から直ちに死亡診断書を受け取る必要があります。一方で、病院以外で亡くなった場合の死亡診断書に関する対応は以下のようになります。
- 在宅医療を受けている方が自宅で亡くなった場合
かかりつけの医師に連絡し、自宅に来てもらい死亡診断書を作成してもらいます。
- 持病などがない方が自宅で突然亡くなった場合
ご遺体には触れずに警察に連絡します。この場合、死亡診断書ではなく「死体検案書」が発行されます。
死亡診断書や死体検案書は、死亡届の提出や生命保険金の請求など、さまざまな手続きで必要となります。
死亡診断書は通常、死亡届と同じ用紙に記載されるため、原本を提出すると戻ってこないことが多いです。したがって、必ず複数枚のコピーを取っておきましょう。
死亡届の提出
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村役場に提出する必要があります(国外で死亡した場合は3か月以内)。
死亡届を提出しないと火葬許可が下りないため、死亡届提出時に火葬許可申請書も一緒に提出しましょう。
死亡届の届出人(通常は親族)と実際の提出者が異なっても問題はありません。多くの場合、葬儀社が代行してくれるため、スムーズに手続きを進められるでしょう。
遺体の搬送・退院手続き
病院で亡くなった場合でも、霊安室に遺体を安置できる時間は通常数時間に限られており、その後は速やかに遺体の搬送を行う必要があります。
まずは葬儀社と相談し、遺体を自宅や葬儀社の安置施設など、どこに搬送するかを決めましょう。その後、病院での退院手続きを行い、遺体を搬送します。
なお、葬儀を行わず直接火葬する場合(直葬)でも、死後24時間以内の火葬は法律で禁止されているので注意が必要です。
そのため、必ず一度遺体を搬送し、安置する場所を確保する必要があります。
親族や友人など関係者への連絡
危篤状態の連絡を受けた時点で、家族や親しい親戚にはすぐに連絡を取りましょう。メールやメッセージアプリよりも電話を使用する方が確実です。
内容が緊急であるため、夜中や早朝でも失礼にはなりませんので、時間を気にせず速やかに連絡を入れましょう。
葬儀社の決定
葬儀社に連絡し、通夜や葬儀の手配を始めます。事前に葬儀社を決めておくのが理想的ですが、それが難しい場合、できるだけ費用について詳しく説明してくれる葬儀社を選びましょう。
病院から葬儀社を紹介されることもありますが、予想以上の高額な請求が来る場合もあり、後でトラブルになるケースがあります。
突然の不幸で気が動転しているかもしれませんが、ひとまず冷静になり、必ず費用と内容を詳細に確認し、納得した上で契約を進めましょう。
葬儀社との打ち合わせ
遺体の搬送が終わったら、葬儀社の担当者と打ち合わせを行い、喪主や受付などの役割分担や段取りを決めます。
通夜や葬儀は法律で義務付けられているわけではないため、葬儀を行わず直葬を選択することも可能です。
しかし、直葬を選ぶ場合でも、遺体の搬送や安置、死亡届の提出、火葬許可証の申請などを自分たちだけで行うのは困難です。
そのため、これらの手続きをスムーズに進めるためにも、葬儀社に依頼するのが望ましいでしょう。
亡くなった当日〜葬儀までの流れ
ここでは亡くなった当日だけでなく、2日目、3日目と、葬儀までにやるべきことを日にちごとに紹介します。
1日目〜亡くなった当日は葬儀の準備
親族が亡くなった当日には、まず死亡診断書の取得や死亡届の提出などの手続きを行います。これと並行して、遺体の搬送や安置場所の確保も必要です。
また葬儀社との打ち合わせを行い、喪主や受付などの役割分担、通夜や葬儀の日程を決めましょう。時間が限られているため、迅速に行動する必要があります。
2日目〜亡くなった翌日に通夜
亡くなった翌日には、通常通夜が行われます。通夜は、故人と最後の別れをする場であり、親族や友人が集まって弔問します。
通夜の準備としては、葬儀社との最終打ち合わせを行い、必要な物品や供物の手配を進めます。また、通夜に出席する関係者への連絡も同日に行いましょう。
3日目〜亡くなった翌々日に告別式
亡くなった翌々日には、告別式が行われます。告別式は、故人を送り出すための儀式であり、多くの参列者が集まります。
式後、遺体は火葬場に運ばれ、火葬が行われます。火葬後には、遺骨の収骨が行われ、遺族に引き渡される流れです。
ただし、あくまでもこの流れは一般的なものであり、宗教や故人の亡くなった理由によっては異なる場合があります。
特に検死が必要な場合には、手続きに1週間程度かかることもあります。そのため、遺体の状態を保つためにも、早めに対応することが重要です。
葬儀後〜一周忌までの流れ
続いて、葬儀が終わってから一周忌までの流れを解説します。
初七日法要
葬儀後7日目に行われる初七日法要は、故人の冥福を祈るための最初の重要な仏教行事です。葬儀と同日に行われることも多く、親族や近しい友人が集まり供養します。
精進落とし
初七日法要の後に行われる精進落としは、喪に服している遺族や参列者が食事を共にすることで、故人を偲び、悲しみを共有する場です。この席で、遺族は故人に対する感謝の気持ちを改めて表します。
四十九日
四十九日は、故人が仏の元に旅立つとされる重要な節目です。この法要には、多くの親族や友人が集まり、改めて故人の冥福を祈ります。また、この日に合わせて納骨を行うことも一般的です。
納骨
四十九日の法要に続いて行われる納骨は、故人の遺骨を墓地に納める儀式です。遺族が集まり、丁寧に遺骨を納め、故人の安らかな眠りを祈ります。
遺品整理
葬儀後の一定期間を経て、遺品整理を行います。故人の持ち物を整理し、必要なものとそうでないものを分けます。遺族にとっては故人との思い出を振り返る重要な時間です。
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お焚き上げ供養
故人の愛用品や手紙など、通常の処分ではためらいがあるものは、お焚き上げ供養を行います。お焚き上げ供養とは、僧侶のもとでこれらの品々を丁寧に焼き上げ、故人の思いを天に届ける儀式です。
形見分け
遺品整理の後、故人の愛用品や遺品を親しい人々に形見分けします。形見分けは、故人の思い出を共有し、引き継ぐための大切な行事です。
初盆(死亡時期による)
故人が亡くなって初めて迎えるお盆を初盆(新盆)と言います。故人の霊が初めて家に戻るとされるため、特別な供養が行われます。初盆の時期は、亡くなった時期によって異なるため、確認が必要です。
一周忌法要
故人が亡くなってから1年後に行われる一周忌法要は、遺族や親族が再び集まり、故人の冥福を祈る大切な節目です。この法要をもって、ひとまずの区切りとすることが多く、再び故人を偲び、感謝の気持ちを伝える場となります。
葬儀社の決め方
葬儀社を選ぶ際は、信頼性や費用のわかりやすさが重要です。そこで、満足のいく葬儀を実現するために、適切な葬儀社選びのポイントを3つ紹介します。
葬儀費用が明確になっている
葬儀の費用は高額になりがちであり、その内訳がわかりにくい場合もあります。できる限り費用を明確に提示してくれるところを選びましょう。
同様に、見積書に費用項目が細かく記載されていること、追加費用が発生する場合の条件が明確であることも重要です。
宗教や葬儀の形式・規模に柔軟
故人や遺族の希望に沿った葬儀を執り行うためには、宗教や葬儀の形式、規模に柔軟に対応できる葬儀社を選ぶことが重要です。
例えば、仏教やキリスト教、無宗教の葬儀など、多様な宗教に対応しているかどうかを確認しましょう。
また、大規模な葬儀から家族葬、直葬まで幅広い選択肢を提供しているかも確認しましょう。
複数見積もりをとる
葬儀社を選ぶ際は、複数の葬儀社から見積もりを取り比較することをおすすめします。同じサービス内容でも、葬儀社によって費用が異なることがあるからです。
複数の見積もりを比較することで、費用の妥当性やサービス内容を確認しやすくなります。さらに、葬儀社の対応や説明の丁寧さも比較のポイントです。見積もりを取りながら、最も信頼できる葬儀社を選びましょう。
まとめ
親族が亡くなった際、初めての経験で戸惑うことが多いかもしれません。
本記事で紹介した「亡くなった当日にやるべきこと6つのこと」や「葬儀社の決め方」などを参考に、落ち着いて適切な対応ができるよう準備しておきましょう。トラブルがなく、後悔のないお葬式ができることを祈っています。